薬剤師
丸山晴美
2015年入社
薬に詳しいから、人に詳しい薬剤師へ。
結婚を機に長野市へ引っ越すことになり、調剤薬局の勤め先を探したところ当社の存在を知りました。見学時に一包化の鑑査機器や自動錠剤払い出し機、シロップを混合する機械なども見せてもらって業務の機械化が進んでいること、学会発表やそれに伴う調査などにも挑戦していること、難しい症例も受け入れて患者さんを支えていることなど、先進的でアカデミックな職場環境や何より患者ファーストの姿勢を目の当たりにして入社を決めました。
入社して感じているのは、肩肘張らずに仕事に熱中できる環境が整っていて、良い意味でゆるい会社だなというところです。もちろんルールはあるけれど、臨機応変に対応出来る柔軟性を持ち合わせた会社だと思います。一般的に薬剤師が足りないと言われている中、それぞれの薬局に必要数の薬剤師を置いているので、みんな仕事に追われることなく、のびのびと働いています。電子薬歴は当然として、自動で粉薬を秤量・混合・分包する機械や、水剤を秤量・混合する機械、在庫管理ソフトなど機械化が進んでいることで人為的ミスを減らし、薬剤師のプレッシャーも解消できて結果的に医療事故の防止につながっています。何より「地域を支える薬局」という感じがとてもいいなぁと思っています。
主な仕事は処方監査・調剤・投薬です。最近は週に一回患者さんの家を訪問して、薬のセットや説明もするようになりました。また、現在はがんの認定薬剤師をめざして、がんについて勉強しています。臨床ではその知識を活かして、がん患者さんと対話しながら、副作用が起きないように予防する方法や、副作用が起きたときの対応を説明しています。
薬剤師は“すぐに相談できる存在”です。医師や看護師をはじめとした医療従事者には、病院に入ってもなかなかすぐに会って相談できないことも多いです。薬剤師は、薬局に入ればすぐに相談できる、患者さんにとって身近で気軽な相談相手。医師には話しにくいことを、薬剤師には話してくれる患者さんもいます。私自身、患者さんに寄り添える調剤薬局を希望していましたので、患者さんを第一に考え、地域のかかりつけ薬局として根付いている当社にはとても共感を抱き、良い環境で働かせてもらっているなと常々思っています。
日々多くの患者さんと接すると、人間の多様性や趣味趣向の違いに改めて気付かされることがあります。患者さんに対する薬の説明はかなり丁寧に、慎重に行うことが大原則なのですが、それにプラスして“十人十色の説明”というのがとても大事。それは私の仕事に対するこだわりでもあります。人それぞれ暮らしや生活習慣は違うので、杓子定規の説明ではなく、一人ひとりにフィットした説明をするということですね。
患者さんにやっていいこと・悪いことをただ「言う」のは簡単ですが、薬は半永久的に服用するものが大半なので、「言う」だけではない「その人に向けて伝える」説明こそ薬剤師がこだわるべき仕事の鉄則です。そうすることで患者さんは苦にならずに薬を継続的に服用してくれます。このこだわりの積み重ねによって信頼を得ることができるんじゃないかなと思っています。医師や看護師に話していないようなことも「実は…」と言って話してもらえる。そんな薬剤師になりたいですね。
薬剤師は医師の処方の疑義を指摘できる唯一の存在ですし、薬が正しく使われているかを評価する、医療事故を防ぐために必要な職業。言い換えれば、薬剤師がミスをすると患者さんは薬による健康被害を引き起こしてしまいます。一緒に飲むと健康被害が起きる組み合わせを見つけ、患者さんの健康被害を事前に回避できた時には達成感がありますが、その分、ミスが許されない職業、いわば医療の最後の砦だし、医療界のリスク管理をする役目です。将来的に需要がなくなることはないと思っていますが、時代を読み、地域と人により添えない薬剤師や薬局は淘汰されていく時代だとも感じています。機械化をはじめとした将来を見据えた企業姿勢や、人員の豊富さによって実現できる患者さんと向き合える時間の長さなど、本来あるべき薬局の姿を具現化出来ているいまの職場には感謝しています。